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冷房負荷の削減⑥ 「中間期の冷房負荷の増加について」

 

今回の冷房負荷の削減のブログ投稿に合わせて、

省エネの師匠 野池さんのセミナーを開催し、

参加者は、私が理事を務める「一般社団法人Foward to 1985 energy life」の中部ネットワークのメンバーと、

私のコンサル先のメンバーの希望者 14名で開催しました。

 

テーマは、「夏期・中間期の冷房負荷削減」。

断熱を向上させると、冷房負荷は若干増える場合がある事は、一次消費エネルギー算定結果から明らかですが、

 

 

断熱を高めると、地域により、冷房負荷が増えると以前書きましたが、

その資料も見せて頂きました。

 

こちらは、HEAT20の資料です。

私もこのHEAT20 の設計部会メンバーです。

 

 

上記の資料は、日射遮蔽をせずに、断熱を向上させると夏期は断熱は冷房負荷は減りますが、

中間期は、冷房負荷は増える事が指摘されています。

緑の矢印と文字が、それにあたります。

 

中間期が増えていまうので、トータルで冷房負荷全体が増えるというお話です。

 

そして、なぜ中間期に熱籠りを起こすかというのは、この図が実にわかりやすい。

 

 

熱移動の大前提は、「熱は、温度の高い方から低い方へ動く」という事です。

 

夏は外気温が高く、室内に熱が移動しようとしますが、

断熱性能が高ければ、室内に日射熱が入るのを防ぎます。

 

なので、外気温が室温より高い日 27℃以上ある日は、高断熱の方が有効です。

 

ですが、これが外気温が27℃未満の時はどうなるか というのが次の図になります。

 

室内の方が温度が高いので、屋外へ熱が移動しようとしますが、

断熱性能が高い為に、屋外に熱が逃げにくくなるのです。

 

という事で、日射遮蔽をしっかり行っていない住宅では、太陽熱が室内に入り込み熱籠りを起こし、

冷房負荷が増えるという事になります。

 

要するに、夏期の為にも、中間期の為にも、外付けルーバー・シェードなどをしっかりと設置する事がとても重要です。

これからの日本の住宅は、大窓中窓は必ず、日射遮蔽材を取り付けるのを義務化しても良いくらいかなと思います。

 

何の為に、断熱を向上させたのか?

一番は省エネだと思います。 快適な室温を如何に小さなエネルギーで実現するか、

これが一番大事なお話です。

 

私は、全館連続空調 冷暖房は、やりたいと言われればやってますが、基本的には否定派です。

せっかく断熱を向上させて、冬の暖房負荷と27℃を超えるような外気温の時の冷房負荷を減らしたのに、

全館連続暖冷房や日射遮蔽をしない事により冷房負荷が増えてしまうと、全く意味がありません。

 

パッシブデザインと各部屋間欠冷暖房又は全館間欠冷暖房 をもっと広げていきたいと思います。

 

小さなエネルギーで、快適に暮らせる家をこの国に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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