~結論を先に言うと 暖冷房を使わない状態での自然室温
の目標を何℃にするのか? 室温シミュレーションすることが重要です~
ちなみに 私どもでは
簡易計算をEnergy ZOO
さらに ホームズ君
という2つのソフトでシミュレーションを行っています
断熱性能(G1~G2グレード)に程度に向上させたうえで
冬は太陽熱を室内に取り入れ
夏は太陽熱を遮る
これはパッシブデザインの基本中の基本です
難しいのがこのバランスです
もちろん地域によってもこのバランスは違います
ただ単に断熱性能を向上させただけでは
夏に窓から入ってきた太陽熱で室内は熱ごもりを起こし
かえってエアコン負荷を大きくしてしまいます
日射取得率は この計算式で決まります
付属部材(ルーバー等の遮蔽材)を入れた窓の日射取得率
× 庇や軒による補正係数
× 方位係数
× 窓面積
で決まります
要するに 大きな窓はしっかり遮蔽
方位係数の大きな東西もしっかり遮蔽
デザインを考えながら できれば庇や軒をデザイン
こんな感じでしょうか?
難しい内容かもしれませんが しっかりと計算を行うことで
快適な室温と省エネルギー住宅を実現できます
①窓ガラスの種類
②庇の長
③ルーバーやシェードの設置
④蓄熱の採用
⑤以上をふまえたうえで日照シミュレーションをしっかり行う
これらを 設計の中に取り入れ計算し シミュレーションしないと
断熱性能を高めただけでは涼しい家にはなりません
エアコンの使い方により 室温や消費エネルギーは変わってきますが
今回は設計によりどう変わるかでお話をさせて頂きます
①窓ガラスの種類
もちろん断熱性能も考えてLOW-Eガラスの採用は必須です
ガラスは夏の事だけを考えれば、東西北の窓は全て日射遮蔽型でしょう
ですが、冬の事も考えなければいけません
窓を全体的に小さくして、建物全体の断熱性能を高める設計であれば
日射遮蔽型のガラスでもよいかもしれません
ですが、南の窓を大きく取り自然エネルギーも活用しようとする
パッシブデザインの日射熱利用暖房の手法をとるのであれば
南の窓は日射取得型のガラスにすべきでしょう
もう一つは日照シミュレーションをしっかりとやることです
南に沢山の窓をつけて日射取得型にしても
日照シミュレーションしてみたらその窓に太陽熱が当たっていない
室内に太陽熱が入っていないのであれば
太陽高度が高い夏に 庇やルーバーなどの遮蔽措置がなければ太陽熱が室内に入ってしまいます
なかなか難しい話です・・・
私が設計するのであれば 標準的には
南は日射取得型 東西北は遮蔽型です
後は、周囲の建物条件 日照条件 もちろん地域によって変わるものだと思います
②庇の長さ
冬の事を考えれば 庇は短いほうが室内に太陽熱が入ってきて良いでしょうが
夏の事を考えれば 庇は長いほうが室内に太陽熱が入らないので涼しくなるでしょう
この庇の長さも計算と日照シミュレーションンをしっかりと行うことが重要です
③ルーバーやシェードの設置
全ての窓に このルーバーやシェードの設置をしたい所ですが
縦辷り窓や横滑り窓FIX窓などがあると 開閉ができなくて設置が難しい場合がありますし
電動にすれば良くても コスト高で難しい場合もあります
南の窓は大きな窓も大きく 日射取得型にしている場合には ルーバーやシェードを必須条件にして
東西北にも大きな窓があるのであれば ルーバーやシェードを設置するべきだと思います
④蓄熱設計
いまだに良くわかっていないのがこの蓄熱です
私はこの約5年間 蓄熱設計を取り入れた設計を行ってきました
私はデザイン的にこの蓄熱設計を行っているため
あえて 多くの方が蓄熱設計を行うように 南側土間での設計をしてこなかったので
冬の効果はそこまでないものの 夏の効果は多く感じています
蓄熱設計は的確に計算を行うと1℃~2℃の室温安定につながるはずです
この蓄熱量 熱容量は断熱性能・日射取得性能・日射遮蔽性能により
その量は変えないといけないです
以上 いろいろお話しましたが
日本は暑くなってきました
しっかりとした夏対策の住宅計画をしましょう!
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