今日は、私の師匠の野池先生と一緒に北名古屋市のパッシブデザイン住宅の検証
省エネの計算は事前にしているものの 室温のシミュレーションができていなかったので
今回は野池先生と一緒に いつも使う Energy ZOO というソフトを使い
RC住宅の室温シミュレーションとエアコンの大きさがどのくらいがベストかの計算
これまで木造住宅は計算してきましたが このソフトでのRC住宅の計算は初めて
なかなか手こずりましたが CADソフトと連動した事前計算と適合
そして このソフトでなければできない 室温シミュレーションへ
まずは、熱容量とよばれる この住宅の蓄熱性能を計算
通常の住宅であれば 70kj/m2k
当社の住宅の多くは 120kj/m2k
なのですが 今回のこのお宅は約400kj/m2k
断熱性能の基準値であるUA値が0.24W/m2k と北海道の省エネ基準の約2倍の断熱性能と
一般住宅の約5.5倍の熱量量で
とんでもない室温シミュレーションとなりました
室温シミュレーションというのは
無暖房 無冷房の状態で その家の室温がどう変化をするかを見るものです
この室温の推移をみるのが その家の性能が一番良く分かるのです
冬の場合は 夜12時に暖房を消してその後に室温がどう変化するかをみます
朝方6時に15度以上
そして日中に太陽の日射を室内に取り込んだら MAX20度以上になったら優秀なのですが
なんとほぼずっと20度で推移
師匠の野池さんからも
「こんなん見た事ないで〜 すげ〜な!」
とのお言葉を頂きました
一日中ほとんど室温の変化なし
ただし、太陽が出ていない日はこうはなりません
まあ、名古屋は太陽の出る日が多いので 間違いなく太陽熱を利用した方が省エネになります
夏はMAXで35度以上かになれば優秀なのですが
34度程度
34度は暑いと思われるでしょうが 普通の住宅であれば40度を超えてきます
パッシブデザインの設計手法の一つである日射遮蔽がとても重要です
庇の設置やルーバーの設計がないと 断熱性能が高いとかえって室温が上昇してしまうので 今回は、庇はないものの ヴァレーマと呼ばれる外付けのルーバーを設置し 日射遮蔽をしています
そして楽しみだったのが エアコンの選定計算
LDKは約40畳 吹抜けが約30畳の大空間
今までの住宅とは比べ物にならない大空間の為 計算結果がどうでるか楽しみでしたが
冬の暖房は なんと14畳用のエアコンで十分である事が判明
約70畳の空間に14畳用・・・
夏の冷房は 常時つけるのであれば14畳用でクリアしますが
つけたり消したりするのであれば 30畳用が良いとの計算結果
これだけの断熱性能と蓄熱性能があると ある程度弱運転で つけたままの方が良いかもしれません
勘違いしないでくださいね
最近 冷暖房を つけたままにした方が 省エネになるとの記事をよく目にしますが 住宅の性能によります
この住宅であれば 14畳用のエアコンを1階に設置して
2階の吹抜けに補助的にもう1台設置するのが良いのではという結論に至りました
あとは、お客様の暮らし方もありますので お話し合いをしながら
最終的にエアコンの大きさを決めないといけません
ちなみに 当社の標準的な家では UA値0.46という北海道の省エネ基準レベルの住宅ですので 20畳の部屋であれば14畳くらいが適切です
さあ 完成が楽しみです!
この記事へのコメントはありません。