今日の日経ニュースで
住宅の省エネ性能、光熱費で換算されるのが2022年にも表示される仕組みとなる事が掲載されていました
UA値が省エネ性能だと思われがちですが
実は、冬にどのくらいの日射取得をするのか
夏にどのくらいの日射遮蔽ができるか
などが設計に関わる部分で大きく住宅の省エネルギーに関わってきます
上記の数字でいくと
①外皮面積は 床または基礎、壁、窓、天井または屋根 からどのくらいの熱量が逃げていくかを計算するための面積
②UAは上記の4つの部分からどのくらいの熱量が逃げるかの数値
当社では0.46W/㎡K以下が基準(北海道の省エネ基準以下にする事は必須)
できれば 今後は0.4W/㎡Kを切っていきたい
③ηAHは冬どのくらいの日射が室内に入ってくるか
当然大きいほうがいい(当社では2.5以上を基本)
④ηACは夏どのくらい日射が室内に入ってくるか
当然小さい方がいい(当社では1以下を基本)
この4つの数字がとても重要でバランスよく行うことで省エネになります
UA値ばかりが注目されますが
実はηACやηAHをしっかりと事前に把握しながら設計すると
小さなパネルでゼロエネ住宅が実現できます
しかしながら、実は省エネにおいて
暖冷房費の割合はそこまで多くはありません
高気密高断熱住宅 もしくは パッシブデザインをやっている会社であっても
その他
換気エネルギー
照明エネルギー
給湯エネルギー
そして調理などその他のエネルギー(これは国によって床面積で同じように設定)
などがしっかりと理解できていなく
暖冷房費は安くても 総合的には省エネになっていない住宅もありますので
そこは見極める必要があります
左の設計一次エネルギーが当社の設計したもの
基準一次エネルギーがこの名古屋エリアの省エネ基準です
実に当社は省エネ住宅と呼ばれる基準の4割程度削減をしています
換気設備のエネルギーは基準を上回っていますが
これは全熱交換型の第一種換気設備を使用しているためで
これを使うことにより暖房エネルギーがされに削減されています
注目すべきは 給湯エネルギーです
約15600MJあります
暖房が約8400MJ 冷房が約3800MJですので
暖冷房エネルギーで合計約12000MJ
暖冷房エネルギーよりも給湯エネルギーの方が多いのです
という事で当社でも今後はこの給湯機器をどうするかが課題になっています
さて次に
UA値とηACとηAHの関係性がどうかをお話します
高断熱でUA値が0.28 ηAH1.3 ηAC1.2
とよくある高断熱住宅と比較してみます
ちゃんと日射量を考えて設計していないと 消費エネルギーが増えてしまうのが歴然としています
先程 当社でちゃんと断熱はほどほどでも
日射量を夏と冬で考えた設計の住宅は 58.1GJ
であったのに対し 高断熱で日射量の設計を考えていない場合は60.9MJ
となり高断熱住宅の方がエネルギーが増えてしまっています
太陽光発電もつけず同じ設備を付けた状態であれば
断熱を抑えても日射量の調節を行った住宅の方が
省エネになる 驚きの結果なのです
最初は驚きましたが 当たり前の結果です
ただ、ここにはまだ 蓄熱の計算が上手く加味されていません
是非 さらなる改善で本当の省エネ住宅が日本全国に建つことを期待します
もちろん私はこのPASSIVE DESIGN COME HOMEでそれを実現し
全国の工務店にコンサルや省エネ団体の理事としての立場から
広めていきたいと思います
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