パッシブデザインにおいては ある程度のレベルの高気密高断熱が必要です
断熱性能で言うと この地域ではUA値0.87W/㎡が省エネ基準で
気密に関する C値と呼ばれる数字は2くらいが一つの目安ですが
当社ではUA値0.46W/㎡K以下
C値は0.5~0.9程度以下にしています
話がそれますが 断熱性能は高いですが トップレベルではありません
しかしながら 夏の日射熱取得量ηACを1以下と小さくし
冬のηAHを2.5以上にするという 設計による数値を重要視して
冬と夏の目標室温を達成しつつ それを行うことにより
断熱性能が高い住宅よりも省エネルギーになるように設計しています
さて、湿度について
室内の湿度は相対湿度であらわされます
空気中に存在する湿度(絶対湿度)が同じなら
低温の方が相対湿度は高くなります
何故? 下記をご覧ください
![](https://passivecomehome.co.jp/_wp-admin_/wp-content/uploads/2019/07/6eadb258b28912bf57fb07f1c70e4b59.jpg)
温度の高いものは飽和水蒸気量が多く
温度の低いものは飽和水蒸気量が小さい
これは、変わる事のない不変のものです
となると、住宅の外から入る湿気や室内で生じる湿気が 同じ量であれば
室温が高い住宅ほど相対湿度は低く
室温が低い住宅ほど相対湿度が高くなります
割合の話ですね
今現在高気密高断熱住宅で過乾燥状態が言われるようになったのは
断熱性能が高くなって 冬の室温が上がったことと
ファンヒーターなど水蒸気を発生する 開放型の暖房器具が減り
省エネに役立つ 水蒸気を発しない エアコンの普及によるところが大きいのです
ではエアコンを止める?
それは省エネになりませんし 空気環境も悪いので エアコンが良いでしょう
多少は増エネルギーになりますが 加湿器を使うのが良いでしょう
開放型の暖房器具を使うよりはずっと省エネですから
若しくは? 家の中に水槽を張り巡らせる?
私の師匠である野池氏の計算によれば 2㎡分の水槽があれば
湿度が5%程度は上がるとの事・・・
サンルームに水辺でも2㎡分つくりますか・・・
冗談じゃなくて本気で考えています!
どなたかやって頂きたいです!
それから24時間換気が標準になったのも 過乾燥の原因になっています
冬は明らかに 外の方が湿度が低い
換気によりその湿度を室内に入れて出すことが行われれるので
湿気は高いほうから低いほうへ逃げる性質があり
換気により 家の湿気が外へ押し出されてしまう作用が働いてしまうのです
さらなる悪循環
24時間換気は 結露対策と
室内で発生する有害物質を換気により室外へ出そうとすることから義務化されましたが
断熱が高まり結露リスクは減ったし
ホルムアルデヒドなどの有害物質を含む 建材や家具も減ったので
いっそのこと 換気をしない方が良いという意見もあります・・・
いろいろ難しい話ですが 現実的には 換気扇は回しながらも
相対湿度を50%くらいになるまで加湿する
というのが現実的ではないかと思います
インフルエンザ対策になりますしね
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