「今の日本は、春と秋が難しい」
ここ最近、春や秋がとても暑いですよね~。地球温暖化の影響か、5月6月9月10月とこれまで暑くなかった時期でも、30℃を超すような日が多くみられます。こうなると困るのが、高気密高断熱だけに頼った住宅です。30℃の太陽熱が、断熱性能の高い室内に入り込む→熱ごもりを起こして、室内がオーバーヒート→春や秋なのに、エアコンで冷やしてあげないといけなくなるのです。断熱性能は、言い換えると「保温性能」ですから、暑い空気を入れると魔法瓶のように保温してしまうのは、これまでもお伝えしてきたとおりです。
夏の日射遮蔽は大事。日射遮蔽は外ですることが大切。
太陽高度が高い夏の日は、奥行910㎜の庇があれば太陽熱が55%程度遮れます(※窓上から庇の下端までの長さによります)。しかし、春や秋は太陽高度が夏に比べて低いので、庇の長さが短いとその下から日射が室内に入り込んでしまうのです。
一方、庇を長くしすぎると、冬の室内に太陽熱が入らなくなって、今度は暖かさを十分得ることができず、困ります。季節に応じて変化する事柄をしっかりと読み解き、適切な調整ができるようにしておくことが、パッシブデザインのキモ。
では、暑い日の中間期を、どう攻略すればよいのか?
南の大きな窓には、外付けルーバーやスダレやシェードをつけてあげることです。太陽高度が下がってきても、スダレやシェードを、窓の途中まで垂れ下げてあげれば、室内に入る日射を調整することができます。ちなみに、前にもお話ししましたが、庇は太陽熱を55%程度遮るのに対して、ルーバーやスダレやシェードを使い、窓の外で日射を遮ってあげると、実に15%程度しか室内に太陽熱が入り込みません。
年を追いごとに暑くなる春・夏・秋のために、しっかりと窓の付属部材を標準的に考えることは、とっても大切。
もう一つ、春・夏・秋に、できる限りエネルギーを使わずに涼しく過ごせる方法があります。それは、断熱性能を高めたうえで、南の窓を小さくすることです。そうすれば、そもそも太陽熱が室内に入り込みません。
ですが、私はそんな家に住みたくありませんし、設計もしたくありません。やはり、南は開放的な家にしたいですよね?であれば、やっぱり付属部材は必須なのです。
ところで、「高断熱」という言葉を使っていますが、そもそもどの位が「高断熱」なんでしょうか?
業界では、この地域(名古屋は6地域という区分に入ります)ではG2グレードUA値 0.46w/㎡K より小さい数字(小さい方が断熱性能が良い)にすべきだと言われています。
なぜそれくらいがいいのでしょうか?
それは、パッシブデザイン DE 快適家づくりセミナーでお話しします。
是非、お越しください!
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