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パッシブデザイン・省エネ談義③






まだまだ暑い日が続きますね。今月のパッシブデザイン談義は、夏の日射遮蔽(日差しの遮り方)についてお話しします。

先に結論をお伝えしますと

①日差しは窓の外で遮るのが一番

②その次は内障子(ハニカムサーモスクリーン)

③最後に庇(ひさし)

この優先順位で検討すると良いです。

ここでひとつの表をご紹介します。

これがパッシブデザインで一番大事にしている表で、窓ガラスの種類ごとに、日射熱を採り入れる(透過させる)割合を示したものです。

赤枠で囲った部分をご覧ください。弊社で標準採用しているLow-E 二層複層ガラス(ペアガラス)の日射取得率の部分です。大前提として、パッシブデザインでは、南の窓を大きく取り、日射熱取得率の高い“日射取得型”のガラスを採用します。そうすることで、太陽熱を多く採り入れ、冬は室内を暖めることができます。”南の窓は冬の為に、日射取得型のLow-E ガラスを採用”が大前提。ですが、このままだと夏は熱くなってしまいます。夏は、その窓ガラスにあたる太陽熱を遮ってあげないといけません。その遮るものを付属部材といいます。例えば、付属部材無し・日射取得型の日射熱取得率は0.51とあり、つまりその窓にあたる太陽熱の51%を室内に入れ、49%はカットされるということを意味します。一方で、付属部材無し・日射遮蔽型は0.32なので、32%しか太陽熱を入れません(68%カットする)。同じガラスで、日射取得型の付属部材無しに、和障子を加えると、日射熱取得率は0.30で、日射熱を30%しか入れないことになり、日射遮蔽型の32%を下回る(よりたくさんの熱をカットする)ことになります。つまり、南の窓は日射取得型にしてあげて冬の日中は熱をたくさん採り入れ、冬の夜や夏は、和障子やハニカムサーモスクリーンや断熱カーテンをつけて熱の出入りを少なくすると有利。さらに、外付けブラインドはどうかでしょうか?ビックリです! 0.12なので12%しか室内に太陽熱をいれません。つまり、外付けブラインド付きのLow-E 二層複層ガラス・日射取得型ガラスは、日射熱の侵入を88%カットするということになります。夏を考えると、とてもありがたく感じられますね。

では、付属部材ではなく、庇で日射熱を遮る方法はどうでしょうか?

庇の長さや、窓上から庇の下端までの高さにもよりますが、日射熱取得率は約55%前後になります。思ったより日射熱をカットできません。庇を長くする方法もありますが、それでは冬に、太陽熱を室内に取り込むことができません・・・。

夏は日射熱を遮って室内を涼しくする、冬は日射熱を取り入れて室内を暖かくする。これを両方実現できる方法は・・・?

ということで、南側には大きな窓をつけて、ガラスはLow-E ペアガラス・日射取得型を採用、外に外付けルーバーやシェードを付けて、内には、ハニカムサーモスクリーンや断熱カーテンを採用。加えて、デザイン的に問題なければ、外に庇をつけてあげるのが正解と言えます。ちなみに、付属部材・庇をつける毎に、日射熱取得率は掛け算できます。ですから、

(Low-E ペアガラス・日射取得型+外付けルーバーの日射熱取得率)0.12×(庇の日射熱取得率)0.55=0.066

つまり、約7%しか日射熱が入ってきません。

建物の中で、窓は最も熱のやり取りが多い場所です。好みのデザインと数字を見ながらの窓廻りの計画はとても重要です。外付けルーバーやシェードや庇って大事なんですよ!

ちなみに外付けルーバーは夏は閉じて冬は開けるという太陽熱の調整が必要です。冬は開けないと、寒いですからね~。

以上、木村がお届けしました! 次回もお楽しみに!

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