設計者としてプランを考える時に大事なのが
間取りや外観、耐震性能や省エネ性能などいろいろありますが
まずは、ゾーニングになります。
周囲の建物などの状況を考慮して日照シミュレーションを行い、どこに南の窓を配置するかを考えます。
場合によっては この時に吹抜けの有無を決めていきます。
もちろんこの吹抜けの位置も重要になります。
午前中だけ陽が入るとか、午後だけとかでは一日を通して暖かい家にはなりませんし、
午前だけ陽が入る家では、日中家に人がいなければ
夕方人が在宅となった時に暖かい家になりません。
さて 今日の本題です。
配置決めで重要なのが
①車の配置
②木の配置
③建物へのアプローチの仕方
です。
私の意匠設計の師匠 京都大学名誉教授で建築家の岸和郎先生から学んだことを自分なりに解釈すると
「動線は複雑に短く、時に長く、奥深く」。
ただ単に 動線 動線 とすんなり入るような玄関へのアプローチではつまらない家になってしまいます。
車を停めたらどう玄関に入るのか?
雨には濡れる? 濡れない?
庇はつける?
門塀や植樹により どう人が回廊するのか?
そこで何を見て どう視線を切り替えるのか?
「どう受けて、どういなすのか?」
そんな事を考えながらアプローチを考えていきます。
(駐車スペースから高台の土地へ上る屋外コンクリート階段とコンクリート壁。玄関ポーチにポストと宅配ボックスを設置。)
さて、本題の玄関についてです。
今はアルミの玄関ドアが主流ですね。
断熱性能と防火性能のバランスがいいですからね。
木製の玄関ドアも実は、断熱性能が高いものが多いです。
防火タイプもあるので、予算は少し上がりますがお勧めです。
ドアと引戸ですと、引戸はやはり気密性能が落ちます。
折角 家全体の断熱性能を上げても気密性能が落ちると意味がありません。
安易な外回りの引戸は避けなければいけません。
親子ドア もご検討される方がいらっしゃいますね。
私はあまりお勧めはしていません。
何故なら、実際に付けられた方にお聞きすると引っ越しの時にしか使わなかったとのお声を頂きます。
窓面積が増える事は、断熱性のを落としますし…若干気密性能も落ちます。
最後にスチール製玄関ドア。
もうすっかり見なくなってしまいました。
私は大好きでした。ですが、スチールは熱伝導率が大きく熱を通しやすいので
外気をまともに伝えてしまい、今の省エネ住宅では全く向かないのが実情です。
スチールドアで片側をはめ殺しのFIX窓にしてハイドアにし、
グレーやフブラックで塗装した玄関ドアは実にカッコいいのですが…。
そのうち ちゃんと断熱された スチール製の玄関ドアが出てくるといいですね~。
(美術館のようなギャラリーをイメージした玄関ホールから土間スペースへの動線)
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