蓄熱利用が 室温の安定と省エネに繋がる事は、前回お話をしました。
蓄熱設計は、これまで室内に土間コンクリートを設けるのが定番でした。
冬の事を考えれば、土間コンクリートに太陽熱を当てて、土間の表面温度を上げれば、体感温度が高くなるので非常に有効です。
体感温度は、
(壁・床・天井の表面温度の平均温度+室温)÷2
で表されます。
という事で、土間に直接太陽熱をあてて、表面温度を上げた方が暖かさを感じますので、
暖房の設定温度も下げる事が可能で、省エネに繋がります。
ですが、場合によっては、土間コンクリートの表面温度が40℃を超えるような場合もあり、オーバーヒート状態になる事もあります。
そうなると、逆に暑さを覚えます。
ですので、室内外の付属部材(外はシェードやルーバー 内はハニカムブラインドなど)による
日射熱の調整が必要になります。
また、前回も書きましたが、問題は中間期です。
太陽高度が下がると、庇をかいくぐり、太陽熱が土間に当たり、これもオーバーヒートを起こします。
なので、必ず シェードやルーバーの設置が必要になります。
蓄熱は、快適性の向上と省エネには有効ですが、ただ単にコンクリート土間だけを設置すると痛い目にあうのです。
しっかりと日射遮蔽まで考えて設計する事が重要です。
日射遮蔽のやり方ですが、
この住宅も LDKの一部を土間コンクリートにしてしますが、
窓外を電動シェードで日射遮蔽をしています。
庇の長さも変えれるので有効ですが、価格が高い・・・。
やはり、冒頭の写真ように、窓とセットになったシェードがコスパが良いでしょう。
ちなみに、この住宅では、1階LDKの上に 吹抜けを介して2階セカンドリビングがあり、上下階の室温ムラを少なくするために、
2階セカンドリビングの壁をCBにタイルを貼り、蓄熱デザインをしています。
という事で、土間コンクリートはなかなか難しいので、
私がやっているのは、コンクリートやコンクリートブロックをTV壁にし、そこを蓄熱壁にしようというものです。
この住宅では、コンクリートブロックをモルタル仕上げにし、上部に間接照明を入れて、蓄熱壁をデザインしています。
こういうのを考えるのが実に楽しい・・・。
この住宅では、木造ながら 構造計算により、コンクリート壁やコンクリート階段を設置。
TV面は杉板型枠を使い デザインしてみました。
この住宅は、RC住宅で、玄関横の間仕切り壁はRC杉板型枠、そして外周部は杉板を貼り、
コンクリートと木を 杉板模様で連続させています、
これを思いついた時は、実にワクワクしました・・・。
ここでは 書斎のカウンター下にブロックを積んでデザイン化しながら、蓄熱利用を行っています。
このRC住宅では、床がコンクリート 階段の間仕切り壁もコンクリート 階段もコンクリートです。
LDKは、冬 夜もほとんどエアコンをつけていません。 蓄熱がうまく働いています。
このRC住宅も 外周の壁は打放で、室内は断熱をし、
間仕切り壁をコンクリート打放にして、蓄熱利用を行っています。
やはりRC住宅の方が 蓄熱はやりやすいのですが、
木造住宅であっても、やり方次第で デザインをしながら蓄熱設計はできます。
これからも、デザインと省エネ・快適を バランスよく蓄熱設計していきたいと思います。
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