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住宅の蓄熱利用による室温の安定と省エネについて② 「蓄熱の手法」

 

蓄熱利用が 室温の安定と省エネに繋がる事は、前回お話をしました。

蓄熱設計は、これまで室内に土間コンクリートを設けるのが定番でした。

 

 

冬の事を考えれば、土間コンクリートに太陽熱を当てて、土間の表面温度を上げれば、体感温度が高くなるので非常に有効です。

 

体感温度は、

(壁・床・天井の表面温度の平均温度+室温)÷2 

で表されます。

 

という事で、土間に直接太陽熱をあてて、表面温度を上げた方が暖かさを感じますので、

暖房の設定温度も下げる事が可能で、省エネに繋がります。

 

ですが、場合によっては、土間コンクリートの表面温度が40℃を超えるような場合もあり、オーバーヒート状態になる事もあります。

そうなると、逆に暑さを覚えます。

ですので、室内外の付属部材(外はシェードやルーバー 内はハニカムブラインドなど)による

日射熱の調整が必要になります。

 

また、前回も書きましたが、問題は中間期です。

太陽高度が下がると、庇をかいくぐり、太陽熱が土間に当たり、これもオーバーヒートを起こします。

なので、必ず シェードやルーバーの設置が必要になります。

 

 

蓄熱は、快適性の向上と省エネには有効ですが、ただ単にコンクリート土間だけを設置すると痛い目にあうのです。

しっかりと日射遮蔽まで考えて設計する事が重要です。

 

 

日射遮蔽のやり方ですが、

この住宅も LDKの一部を土間コンクリートにしてしますが、

 

 

 

 

窓外を電動シェードで日射遮蔽をしています。

 

 

 

庇の長さも変えれるので有効ですが、価格が高い・・・。

やはり、冒頭の写真ように、窓とセットになったシェードがコスパが良いでしょう。

 

ちなみに、この住宅では、1階LDKの上に 吹抜けを介して2階セカンドリビングがあり、上下階の室温ムラを少なくするために、

2階セカンドリビングの壁をCBにタイルを貼り、蓄熱デザインをしています。

 

 

 

という事で、土間コンクリートはなかなか難しいので、

私がやっているのは、コンクリートやコンクリートブロックをTV壁にし、そこを蓄熱壁にしようというものです。

 

 

この住宅では、コンクリートブロックをモルタル仕上げにし、上部に間接照明を入れて、蓄熱壁をデザインしています。

こういうのを考えるのが実に楽しい・・・。

 

 

この住宅では、木造ながら 構造計算により、コンクリート壁やコンクリート階段を設置。

TV面は杉板型枠を使い デザインしてみました。

 

 

 

 

 

 

この住宅は、RC住宅で、玄関横の間仕切り壁はRC杉板型枠、そして外周部は杉板を貼り、

コンクリートと木を 杉板模様で連続させています、

これを思いついた時は、実にワクワクしました・・・。

 

 

ここでは 書斎のカウンター下にブロックを積んでデザイン化しながら、蓄熱利用を行っています。

 

 

 

 

 

このRC住宅では、床がコンクリート 階段の間仕切り壁もコンクリート 階段もコンクリートです。

LDKは、冬 夜もほとんどエアコンをつけていません。 蓄熱がうまく働いています。

 

 

このRC住宅も 外周の壁は打放で、室内は断熱をし、

間仕切り壁をコンクリート打放にして、蓄熱利用を行っています。

 

 

やはりRC住宅の方が 蓄熱はやりやすいのですが、

木造住宅であっても、やり方次第で デザインをしながら蓄熱設計はできます。

 

 

これからも、デザインと省エネ・快適を バランスよく蓄熱設計していきたいと思います。

 

 

 

 

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