名古屋市東区で鉄筋コンクリート住宅
RCダブル断熱×パッシブデザインの家が着工しました。
こちらのお客様のこだわりは 私の設計者人生の中でも最高位
元々、大家さんを業とされているので、図面を見たり
CADでも描かれたり、場合によってはCGまで作成されたり…
なんとも家づくりへの情熱があるクライアントさんです。
私が気後れしてしまうほど…
そんな方ですが
「木村さんなら自分の思いをカタチにしていただけると思うのでお願いします」
とおっしゃりご依頼いただきました。
ここまで聞くと、住宅会社さんによっては
引いてしまう会社もいるかもしれませんが、
「できるものはお願いしたいし、できないものは諦めます」
と言っていただける。
そういう関係であれば、やれるものは何とか
実現してあげようという気持ちになります。
私は、クライアントと住宅会社は依頼主と請負主。
上下関係があるようですが、対等な立場で
物が言えないのであればお断りしています。
ちゃんと言えないのであれば、絶対にトラブルになる。
良い家はできません。
脱線しましたが、そんなやり取りがあったのち
昨年9月末にいったん請負契約が終わり
その後何度となく細かい修正を行い構造計算へ。
年明けから福岡のコーディネーターチームが加わり色々と修正。
元々そこそこ高額住宅でしたが、こだわりがさらに加速して
コンクリート壁を増やしたり家具工事などのインテリアでかなりの金額アップ。
私も少しご協力はしまして再度増減契約となりました。
(通常ここまでのアップは記憶にないです…)
■基礎工事について
さて、工事ですが 基礎工事
コンクリート住宅の場合このエリアは布基礎が有利となります。
なぜ布基礎?
木造ですとベタ基礎にしないとシロアリ被害があります。
木造の布基礎の場合は土間コンと呼ばれる土間の床コンクリートを
打たないことが一般的なので、シロアリ被害を防ぐためにベタ基礎が採用されることがほとんどです。
ですが、コンクリート住宅ではシロアリ被害はありませんので
コストで基礎を考えるべきなのです。
①掘削量が布基礎の方が少ない
一方コンクリート住宅では、コンクリートが重いので基礎の掘削の高さが高くなります。
そうなると、掘削した後の残土量が多くなります。
ベタ基礎と布基礎でどちらが多いかというと、ベタ基礎は総掘りと呼ばれますが、
建物全体を掘削するので掘削量が増えます。その分コストがかかるのです。
②布基礎の方が鉄筋量とコンクリート量が減る。
コンクリート住宅において布基礎は、壁のある部分だけに基礎を入れます。
一方ベタ基礎だと建物全体に基礎が入りますので耐圧ベースと呼ばれる床部分が
厚くなり、コンクリートも鉄筋量も増えます。
その為に、コストがかかってしまうわけです。
③唯一、杭工事はベタ基礎の方が減る
ベタ基礎は建物全体を杭で支えるので、杭を分散させることができるため
唯一杭工事の金額だけは減らすことができます。
以上の点から、有利不利は色々ですが
掘削量と鉄筋量とコンクリート量が減る分と杭工事が増える分を
差し引きしても、布基礎の方が安くなるというのが結論です。
場合によってはベタ基礎を採用する場合もありますが
その建物や地盤調査の結果により変更するべきです。
詳しくはYouTube RC住宅講座基礎編 をご覧ください。
そして、今回の名古屋市東区のコンクリート住宅ですが、
なんと地盤補強なし!
強い地盤で、通常今回程度だと150万円かかる地盤補強工事費用がゼロ!
という事で、布基礎工事ですが建物を市街地でいっぱいに建てたのと
壁が狭い範囲で多いので土があまり残らず、残土搬出が増えてしまいました…。
ですが、きれいな掘削現場ですよね!
いよいよ捨てコンクリート。
墨だし。
鉄筋工事。
型枠工事。
コンクリート工事。
へと基礎工事が進んでいきます!
BLOG更新をお楽しみに。
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