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冷房負荷の削減④ 「断熱だけでは冷房負荷は削減できない」

 

一次消費エネルギーのWEB算定と呼ばれるもので、

住宅の消費エネルギーは、事前に計算されます。

 

公的なもので、4月よりこの計算が、全棟義務付けられました。

 

外付けシェードは、加味されませんが、

実際に加味して計算を行っている会社の方が、信頼できると思います。

いくら、国が加味していなくても、間違いなく外付けシェードは冷房負荷を減らします。

 

ややこしい話ですが、ルーバーもつけたまま計算すると、夏のηACは小さくなり省エネになりますが、

冬にもそのルーバーがついたままの計算になり、ηAHも小さくなり、増エネになってしまうというのに困っています。

本来であれば、ルーバーをつけて夏は日射遮蔽、冬は日射取得を行えば、

省エネに繋がるはずが、夏の計算か 冬の計算かを選択し、申請することになります。

大きな補助金も関わっているのに、このままで良いのかといつも疑問に思っています。

そろそろ関係機関に問い合わせてみたい内容です・・・。

 

話を戻します。

 

とりあえず、シェードやルーバーなどの付属部材を夏はつけて 冬はつけない状態で計算してみます。

その方が実情にあっていますので。

 

まずは、UA値が0.4 ηACが1の住宅の消費エネルギー計算。

 

 

冷房負荷は3849MJでした。

 

次にUA値0.26で ηACは同じく1。

(実際には断熱を上げればηACも小さくなるでしょうが、高断熱で外付けの付属部材を設置していない会社がほとんどですので。)

冷房負荷は、3956MJでした。

 

UA値0.4が冷房負荷は3849MJで、UA値0.26が冷房負荷は3956MJ。

断熱性能だけでは、冷房負荷は決まらないのです。

決まらないどころか、断熱性能が高い家の方が 冷房負荷は若干ですが、増えています。

この事実は、実務者であっても知らない方がほとんどです。

 

当然、断熱性能を上げれば 暖房負荷は減りますが、冷房負荷は若干増えてしまいます。

トータルで考えれば、当然断熱性能が高い方が良いですが、

外付けルーバーなどを駆使して、さらにηACを小さくする努力が、今後の日本の家づくりには必要だと考えています。

 

ちなみに、きちんとパッシブデザインを行い、

 

夏はルーバーやシェードで日射遮蔽、冬は南の窓を床面積の20%程度で、パッシブデザインを行った住宅の消費エネルギーは、

 

ただ単に、断熱強化をしたUA値0.26の住宅の消費エネルギー合計が 52974MJであったのに対して、

UA値0.4でパッシブデザインをやった住宅の消費エネルギー合計が 52833MJとなり、

断熱性能だけを向上した住宅より、消費エネルギーは減るのです。

 

住宅によりその数値は変わるでしょうが、断熱性能と夏の日射遮蔽 冬の日射取得のバランスが重要です。

 

私が パッシブデザインに傾倒する理由はここにあります。

 

 

 

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