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木村コラム|シミュレーションと実測

私どもPASSIVE DESIGN COME HOMEでは

ただパッシブデザインで設計するのではなく

日照シミュレーション

ゾーニング

断面計画をした上でゾーニングを行っています

そして、LDKに南の窓から如何に太陽熱を入れるかを何度も日照シミュレーションしてプランを作ります

この日照シミュレーションをしながら 建物のBOXをどうするか?

外観デザインも整えながらプランをします

日照シミュレーションを重ねていくと場合によっては 吹抜けを作り2階の窓から太陽熱を落とし込む設計になる事もあります

私の設計では、
例えば延べ床面積100㎡で、主たる居室50㎡なら
①LDKやそれに繋がる吹抜けや階段や廊下等の主たる居室の床面積の20%程度を主たる居室の南の窓面積とする
50㎡×0.2=10㎡

②すべての南の窓の窓面積は、延べ床面積の15%程度
100㎡×0.15=15㎡
つまり主たる居室以外に5㎡の南の窓を設ける

③延べ床面積の20%程度を全体の窓面積とする
100㎡×0.2=20㎡
つまり全体で20㎡で南の窓は②の15㎡なので
20㎡ー15㎡=5㎡なので
残りの5㎡分を東西北に配置したら、

毎回ほぼ一定のUA値、ηAH値となります。
南や東西北の中窓以上の大きな窓には外付けルーバーを設けたら、
ηAC値は1以下になります。

このルールを設けている為に
私の設計では、ほぼUA値は0.4前後、ηACは1以下、ηAHは2前後になっています。

いくらシミュレーションが良くても実測値がイマイチであれば
プランが悪かったのか?
シミュレーションが間違っていたのか?
外皮性能など省エネ計算は良くても、日照シミュレーションが甘く思ったような消費エネルギーになっていない場合もあります。
なので、性能を活かす為の日照シミュレーションがとても重要になります。

さて、今回シミュレーションと実測をお見せするのは、名古屋市緑区の住宅地で、方位が南東に振っている住宅のシミュレーションと実測です。

まずは敷地の日照シミュレーション

10時

12時

 

14時

実際には10時から15時まで綿密に日照シミュレーションを行います

そしてゾーニングと断面計画を行い

南の窓 今回は南東と南西の窓からどのように太陽熱を入れるかを日照シミュレーションし

室内に太陽熱を取込みます

こんな大空間と大開口が南東と南西に作れたのは

SE構法でしっかりと許容応力度計算等をして耐震等級3を確保しているからです

 

プランは以下のようになりました

 

出隅配置より入隅配置の方が太陽熱を取込みやすくなりますが、
南方位より窓面積を増やさなければいけないので、全体の断熱性能UA値が悪くなってしまうので注意が必要です。
今回は南東と南西の窓は日射熱利用を考慮してアルミと樹脂の複合サッシ

LIXILのサーモスX、

外壁はウレタン120mm、

屋根ウレタン200mm、

基礎断熱でフェノバ63mmで、

UA値0.4前後をキープしました。

・延べ床面積が162㎡、主たる居室が79.22㎡、その他の居室が43.09㎡
・主たる居室に対する南東の窓面積が13.68㎡、南西の窓面積が11.98㎡
・主たる居室に対する主たる居室の南東の窓面積割合が17%、南西が15%
・主たる居室に対する南東と南西の窓面積割合が32%
・延べ床面積に対する窓面積合計の割合が20.6%
となっており、入隅窓で計画し、南東をメインに考えて多めにしています。

 

簡単なエクセルによる窓面積割合の計算とゾーニングは割愛しますが、
外皮計算では付属部材有(ハニカムとシェード)と
日射熱吸収率を白色の外壁と屋根として考慮した計算で、

ZOO付属部材有

省エネ基準で加味されないものも計算

シェードも計算に入れた

付属部材なし

ルーバーやシェードを加味しない

となりました

そして、付属部材をつけた状態でエアコンをつけない状態で室温がどう変化するかを見てみます

目標は冬の晴れた日は 深夜0時に20℃で暖房をつけない自然室温が

朝6時で15℃以上 最高20℃以上が目標です

冬は朝6時で17.2℃ MAX21.2℃となりました

夏深夜0時が27℃で冷房をつけない自然室温が35℃以下が目標です

通常の住宅では40℃以上になります

夏のmAXは34.3℃でした

社内基準をクリアです

 

これを一次消費エネルギーの計算式に持っていくと、
付属部材有りが、

暖房エネルギーが13414MJ、冷房エネルギーが8101MJ、
暖冷房の合計 21515MJ

付属部材無しが

暖房エネルギーが13141MJ、冷房エネルギーが12621MJ、
暖冷房合計 25762MJ のシミュレーションでした

プランが最終確定したのち、当面お客様がLDKと2階寝室だけで暖冷房することをヒアリングして、ホームズ君により、

・LDKの暖房は朝5時から深夜0時まで21℃設定で運転し夜間は消す
・冷房は朝6時から深夜0時まで27℃設定で運転し夜間は消す
・寝室の暖房は夜0時から朝6時まで21℃設定で運転
・冷房は朝夜0時から朝6時まで27℃設定で運転
という前提でシミュレーションしてみました

      

この場合の年間暖冷房負荷は

暖房負荷が2684kWh で、冷房負荷が2686kWh 、合計5370kWh。
延べ床面積で割ると、33.14kWh/㎡ となりました。
MJで表すと、119.3MJ/㎡となり、年間暖冷房負荷で約119 MJと優秀でした。

次に室温分布を見てみます。
LDKは20℃以上にしたいのですが、

主たる居室が大きすぎて、20℃以下になる割合が15%もあります。
南東と南西に窓を沢山つけている影響もあるようです。
曇りや雪や雨の日の影響がここに出ますが、
全体としては消費エネルギーが少ないので、暖房の設定温度を21℃でなく22℃から23℃にする必要があります。
このことを事前にお客様に伝えないといけません。

さて実測結果ですが、

暖房が14154MJ、冷房が8147MJ、合計 22301MJ でした。
消費エネルギーの合計は75147MJで、延べ床面積当りは 462.3MJ/㎡でした。
暖冷房エネルギーは高めですが、後でグラフをお見せしますが
室温が高いことに注目しないといけません。
人により快適な室温レベルは違います。
どんな室温をどんな消費エネルギーで実現したかが重要です。

そもそもエアコンの運転スケジュールは、国のプログラムとお客様の運転スケジュールは一致しないのです。
あくまで一般的なエアコンの運転スケジュールを想定して計算し、
同じ条件で比較をするというものです。
なので、想定より増えていても、室温状態が良好なら仕方がないのです。

これが省エネ基準でシミュレーションする場合の運転スケジュール。

実際をオーナー様にヒアリングをしたところ、
南東のシェードは閉めているが、南西のシェードは1階も2階も空けているとのことでした。

この影響がしっかりと実測結果に反映された結果となりました。
消費エネルギーがシミュレーションと実測で整合性が取れていることで喜びたいところですが、ここで重要なのは、どんな室温でこの消費エネルギーであったかです。

名古屋(6地域)の冬の代表的な晴れた日の外気温を取り出して見てみました。LDK、寝室、洗面室ともに20℃以上をキープしているのがわかります。
エアコンはLDKは5時過ぎにつけて深夜0時過ぎに消しています。

驚くべきは寝室です。
一度もつけていなく、20℃以上をキープしているのです。

パッシブデザインの日射熱の恩恵を受け、UA値0.4W/㎡Kでそれを保温している結果であると思います。

夏は、LDK、寝室、洗面ともにほぼ27℃前後をキープしています。
LDKは一日中つけているようです。実際200W程度しかないですが、これについてはオーナー様に連絡をして、朝6時くらいのタイマー設定にしていただくように依頼しました。
寝室は20時から朝9時まで使用。幼児がいる為、使用時間が長いようです。

これを踏まえてもう一度ホームズ君で年間暖冷房負荷を出してみました。

 

暖房が2561kWh、冷房が1970kWh。
合計すると 27.96 kWh/ ㎡(100.7MJ/㎡)となりました。

室温を見てみると、

エアコンの設定温度22℃でこの運転時間ならLDKは22℃以上くらいになっています。

洗面もほぼ20℃以上になっています。

さらに、これを実測の室温シミュレーションと比較してみました

シミュレーションソフトってすごい!

そして一次消費エネルギー計算もしてみました。

やはり、室温が想定より高く過ごされているので、
少し暖冷房エネルギーは多くなっています。

実測とシミュレーションを比較しながら、
最適の暖冷房スケジュールを見出してくのが楽しい。

暖冷房だけでなく、それ以外の部分も見るべきですが、
特質しているのは、エコキュートの部分。
18773MJのシミュレーションに対して、11415MJの実測でした。
暖冷房はほぼシミュレーション通り、給湯のエコキュートはかなり削減できています。
それ以外何がそこまで消費エネルギーを増やしているのか、
ここを探るのが、本当の省エネです。

シャワーで過ごされているのかと思いきや、
オーナー様にヒアリングをしてみたところ、
浴槽にはる湯量をかなり少なくしているとのことでした。
確かに湯量を6割弱にしたらこの数字になるかもしれません。
すばらしい省エネ意識!

出るが一方で、照明とその他の部分がかなり多い!
シミュレーションより約9000MJも多い。
照明とその他の回路を分けて実測していなかったのが悔やまれます。
今現在は分けて実測しています。

こうやってしっかりとシミュレーションと実測を繰り返し、より良い家づくりをしていく企業努力だけなく、
私の会社では、入居頂き約1年後にこのシミュレーションと実測を突き合わせて顧客に報告書の提出をして、
住んだ後もメンテナンスだけでなく、省エネにオーナー様と一緒に向き合いたいと考えています。

HEMSの設定で色々修正をしていますが、ほぼサイクルが整いました。
この内容を日本中の設計者とも共有し、
さらに良いパッシブデザインと省エネ住宅を広めていきたいと思います。

長文読んで頂いた方、ありがとうございます!

 

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